壊れかけのearphone

この前新調したばかりのイヤフォンから心霊ラジオみたいな不穏な音がする。どっかに『涙に強いイヤフォン』売ってないかな~。でも金欠すぎてガソリンスタンドに行くことすら渋ってる状態なんだよな~。乳液もフェイスマスクも秋物の服も、欲しいものたくさんあるのにお金がない。つらい。つらすぎる。孤独よりも何よりもお金がないということがつらい。完全なるニート生活のツケ。いつになったら【食欲→性欲→物欲】っていう悪のサイクルから抜け出せるんだろう。全国の無趣味さんはどうやってストレス解消してるの?教えておじいさん。

PS.数ヶ月シカトしてるにも関わらずまだ前の前のバイト先の人から連絡がきます。助けてドラえもん

なりたい自分になるって難易度高すぎるしよくよく考えたら本当にそうなりたいわけでもない

妹キャラでいると生きやすそうだなぁと思ったのでニコニコ割増週間にしてみたんですが普通にしんどいです。私みたいな中途半端な甘えたは話すときなんかもしどろもどろで気持ち悪いだけだけど、計算し尽くされた妹キャラは甘え方が自然だし、何をしたって許される素質がある。愛される術を知っている。だからそうなってみたかった。私は『ありがとう』って言いながらも申し訳ありませんが強めに出ちゃうし、言葉自体も『すみません』がすぐ出てくるような人間だから、明るくて素直な人が羨ましくて仕方ない。でもごめんなさいばっかりじゃ相手にも気を遣わせてしまうことになるから、最近はどうにか頑張って明るく受け答えしようとはしてるんだけど、完全に空回ってる気しかしない。てかそもそもアラサーなのに妹キャラってどうなのって話で。会社ではまだ新米だからギリギリ許されるだろうって思いながらも、媚び売るような喋りをしたあとは自分の気持ち悪さに吐き気がする。焦ってるくせにポーカーフェイスで一人あたふたしてたときに比べたら大分ラクではあるけど、人に頼るということにどうしても慣れない。それでも誰かに頼らなきゃどうにもならない時の為に少しでも『助けてあげたい像』みたいなのを貯蓄しておかなきゃなって思うとその対象が好き好みそうなタイプの人間を演じてしまう。だからしんどくなるって分かってはいるんだけどやめられない。とりあえず真面目すぎても駄目だし少し砕けた話し方じゃないと相手にも気を張らせてしてまうから、普通の人に擬態しようとすると結構無理をしないといけなくて疲れる。こんなんでよく接客業してたなって感じだけど、基本的には誰とも話したくないし関わりたくないから挨拶ですらしんどい。ほんとなにもしたくない。でもなにもしてないと死にたくなるから何かしていたい。毎日毎日朝起きて化粧して洋服選んでお弁当作って車運転して仕事にいくことがしんどくて辞めてしまいたいけど、働いている間は何も考えなくていいからずっと仕事してたい。でもなにもしたくない。馬鹿みたいな無限ループ。今日だってたいしたことしてないのにすごい疲れた。なんで毎日こんなだるいんだろう。寝ても寝てもすっごい眠いし。このまま何も分からなくなりたいなぁ

笑顔がブスなのと普通がしんどい話と性癖

作り笑顔ってコスパ悪くないですか?仕事をする上で必要な当たり障りのない関係を築くことはできるけど、結局それ以上は手に入らないし一人になった途端すごい虚しくなる。致命的に笑顔をつくるのが下手だから余計にそう思うのかもしれないけど、笑顔がブスすぎてあんまり笑いたくない。このまえのお昼に一人で食べてるのを可哀想に思ったのか『こっちで一緒に食べませんか?』って誘ってくれた人がいたんだけど、正直休憩中は無理して笑いたくないから放って置いてほしいし、ぼっち飯に耐えられないタイプならイヤホンで世界を遮断したりしないよ…と思いながらヘラヘラ笑って流してしまった。みんな仲良しで楽しそうだけど、私はあんな風に群れるのが苦手だからできるだけ一人でいたい。元々誰かとごはんを食べることが苦手で、その相手が異性だとセックスよりも恥ずかしい行為に思えてならない自分にも問題はあるんだけど、誘ってくれた人がちょいちょい話しかけてくれる私より1つ歳上の男の人で、その人が一緒に食べてる人が30代くらいの彼のとりまきのお姉様方数名だったからちょっと怖かったってのもある。でも彼は同じ部署の年下の女の子と付き合ってるっぽいから、無差別に色んな人に優しくしない方がいいんじゃないの~って逆に心配している。でもよくよく考えたら私がそれに慣れていないだけで、あの人にとっては、会社の人にとっては、世間にとっては、こんなの普通のことなのかもしれない。もし大学行ってたらこんな感じだったのかな?『男女分け隔てなくみんな仲良し』みたいな風潮には未だ慣れないし、優しくされることにも慣れないけど、私が優しいと思ったこともほんとは優しさなんかじゃなくて、たいした意味なんてないのかもしれない。とりあえず下心のない優しさを受けるのが久々すぎて、これに慣れちゃうとあとが苦しくなりそうだからあんまり優しくされたくないな。でも男とか女とか見た目とかキャラとか、そんなものをあまり気にしていないこの会社の雰囲気はわりと好きだ。女だけだとギスギスした感じになりやすいけど、そこに少数の男の人が入るだけでなんとなくそれが緩和されてるような気がする。男女半々だとまた違う問題が出てきそうだけど、今のこのバランスはちょうどいいと思う。でも同世代の人がほんとに苦手で、特に女の人はどんな空気感で歩み寄っていけばいいのかほんとにわからない。話しすぎても話さなくてもアレだし、空気を読むのがほんとめんどくさくて、できれば存在をスルーしてくれとすら思う。もう大人だし若いときみたくマウンティングされたりとかはないと思うけど、休憩中とか同世代の女の子たちが集まってるとその近くを通るだけでも息が詰まる。うちの部署は7割くらいが女の人だし気が強そうな人が多くて、ちょっと変な女の人とか彼女がいなさそうな男の人(失礼)とはわりと普通に話せるんだけど、それも結構頑張ってるというか、素で話せる人はまだ全然いないし、会社でそんな人を見つけられる気もしない。とりあえず、普通の人が普通にこなしてることを普通にするだけでめちゃくちゃ疲れてしまう自分の燃費の悪さにガッカリしながらもどうにか生きています、ということをここに記します。でも最近精神的疲労からか異常に眠くて、朝方に眠る生活だったのをどうにか3:00くらいには寝るようにしてるのにそれでもすごく眠い。お昼休憩もほとんど寝てるし小休憩も寝てるのに全然頭が冴えない。頭痛薬ばっか飲んでるせいだと思ってたけど飲んでない日も眠い。あとほんとずっと頭痛い。生理も2週間くらいとまんないしなんなら出血量多くなってるし、心臓もちょくちょく痛くなるし、たまに変な音するし、そろそろ死ぬのかもしれない。とかこんなことかいてたらまた眠くなってきた












ってかきながら寝オチしてました。
なーんか、楽しくないことばっか考えて生きてる自覚はあるんだけど楽しいことがセックス以外みつからないし『どうせいつか死ぬ』って思うとなにしても無駄な気しかしないんだよなー。お金もすぐなくなっちゃうし、なんで普通に生きるだけでこんな金かかるんだろうね~ はぁ。今後のこととお金のこと考えるとほんとに死にたくなるね、やめます。あ!すっごい話変わるんですけど、会社に超絶好みの声の人が二人もいて、その人たちの声聞いてるときだけは普通に幸せを感じます。一人はすっごい落ち着く低音で一緒にお布団入って寝てくださいって感じだし、もう一人は甘いしエロいわで普通にムラムラするっていうかもう子宮に響く。二人とも共通してせっけんの匂いがするし、最高の逸材。個人的には香水をつけてる人よりもその人独自の体臭(もしくは洗濯洗剤の匂い)が好きで(限りなく無臭に近い人も好き)、とりあえず自分の好きな匂いの人が近くにいるとおもいっきりクンクンしたすぎて衝動を抑えるのが大変…。近くにきてくれるのはチェックしてもらってる間の数分だし、必要最低限のことしか話さないけど、その時間だけが最近の唯一の楽しみでそんときだけはほんとこの会社にきて良かったなぁと思う。まじでイブ○イックより効果あるんじゃないかな。後者の彼に至っては見た目もめちゃくちゃ好きだし中身もエロいことを知ったので尚更興味があるんだけど、ロングヘアのスタイル抜群な彼女と同棲してそうだなって妄想までしちゃってるので私の出る幕はない(完)
とりあえずまとめ
・【イケボ】を自認してない【イケボ】は最高
・どうでもいいこととエロいことで頭が埋まってるくせにポーカーフェイスを装い続ける私はある意味最高

うぇ~ なんかブログかいてるとめちゃくちゃ眠くなるね。せっかくのお休みだしもうちょっと寝ようかなぁ。とりあえず毎度のことながら色々と矛盾してるけど許してください。寝ます。

お腹の中からやり直したいっていうかコンドームの中で息絶えたほうが幸せだったんじゃないかな

9月です。6月から3ヶ月ほど引きこもっていたら虚無感がメキメキ育って10kg増えました。更に先月、無視を決め込んでいた彼からの連絡に応じて致してしまうという重罪を犯してしまい本当に自分を殺してやりたい気分です。性欲に負けるとか中学生かお前は。破局を喜んでいた友人にも『なんでこいつなの?いくらムラムラしてたからって相手を選ぼうな(にっこり)』って怒られたし、ほんとその通りすぎて何も言えなかった。でも求められるとどうしても応えたくなっちゃうし、最終的には『こんなんでも欲しがってくれるんならどうぞ~』みたいな気持ちになっちゃうからどうしようもない。とかゆっても生理的に無理なタイプの男に声かけられたときはいくら性欲あっても『こいつと同等に思われたのか…』って死ぬほど落ち込むし普通に拒否るけど。とりあえず私はわりとストライクゾーンが広めっていうかむしろ安心したいがためにあまりかっこよくない人を選んでしまう傾向にあるんだけど、結局そんなんでも毎回ずぶずぶに甘やかすし犬みたくなっちゃうから無駄に自信をつけた男がわかりやすく調子にのりだしてそれに苦しくなって別れる、みたいな展開に陥ってしまう。別れ話をするのは私だけど相手にはほとんどダメージがなくて自傷してるような感じ。だから今までの恋愛もほとんどが恋心というよりも精神的な依存でしかなかった。とりあえず私みたいな駄目男製造機はどうやったら普通の人みたいに普通に恋に落ちて相思相愛になれるのかまったくわからないから妥協して生きていくしかなくて、でもそうやってひっそりと生きていても立場をわきまえていても、ふとしたはずみで寂しさが崩壊してしまうときがあって。そんなときに彼の存在を思い出した。すごく仲が良かった訳でもないし、最後の記憶もあまり良いものじゃなかったし、第一自分が苦手なタイプの女を好きになるような男とそういう関係になるのは少し抵抗があったけど、あまり女慣れしていなさそう人が良かったから彼を選んだ。しかし実際の彼は想像していたよりもアクティブで人付き合いも多いし忙しく生きていたから、私のことなんて全然必要としてくれなかった。仕事と趣味との隙間を埋める暇潰しの中の一つにしかなれなくって、自分の存在価値の低さを思い知らされただけだった。人間的な魅力がないことは自覚していたけど、ここまでかと落胆した。劣等感と虚無感に苛まれるのを防ぐためにそういう人を選んだつもりでいたけど、とんだ検討違いだった。当時、家のことがほんとにしんどかったから誰かに思い切り甘えたくてそういう関係をはじめたのに、ただ抱きしめて欲しい時に限って彼は現実を突き付けてきたし、同じように求めてはくれなかった。セフレって関係を簡単に考えていたけど、自分はそういうのを作るのに全然向いてないタイプだってことを痛感したし、友達の延長線上にいるだけで本当は友達でもないような曖昧な関係でしかないって気づかされた。あわよくば好きになってほしい、なんていう甘い期待を秘めていたせいもあるけど、現実逃避したいがための存在がいつのまにかメンタルを左右するようになっていた。勝手に期待して、勝手に絶望して、一緒にいるのに一人でいるような気持ちにさせられる時間が苦しくて仕方なかった。それでも一人よりはマシだから "嫌わないで" "もっと欲しがって" "ひとりにしないで" なんていう感情に支配されて、都合の良い女を演じてでも側にいたいと思うようになった。もう求め合っているというよりは求められるのを待っていて、それでしか存在意義を確保できない自分に嫌気がしていた。こんなに苦しいのならいっそもうこんなことやめようって思ったりもしたけど、誰かが無条件で自分のことを愛してくれるイメージが沸かなくて、こわくなって、ひとりでいられなくて、結局ここにもどってきてしまう。可愛い顔と普通の身体があれば私にも普通の恋愛ができたのかもしれないけど、あいにくそんなもの持ち合わせていないから多分ずっとこんな生き方しかできないんだろうなぁと思う。こんなんでもハタチそこらまでは普通に恋愛してたし、セフレがいる友達にも引いてたし、いつか誰かと普通に結婚するのかなって思って過ごしていたんだけど、結局恋人って関係で相手のこと縛り付けたって好きだって言われたってそれが一生続くわけじゃないって心のどこかで諦めてるから誰のことも信用できないし、そういうのが相手にも伝わって本当の意味で好きになってもらえないんだろうな。だって【恋→愛→家族】みたいな行程が自分に踏める気がしない。一生一緒にいたいって一瞬ですら思わせることができないと思う。醜く太ってしまった自分を嫌悪して、穴としての価値しかないって思ってるからこんな卑屈な考え方しか出来ないのかも知れないけど、努力して綺麗になったところで中身がからっぽのままだったらなんの意味もないし、もう可愛いふりだけで生きていくこともできないって分かってるから色々としんどくてなんの光も見えない。恋人とか恋愛の概念すらわかんない。彼を選んだのだって好きだったとか流されたとかそういうのじゃなくて単純にセックスしたかったからで、だから私が被害者ぶるのはおかしな話だしまんまブーメランなんだけど、めんどくさいことは嫌いだけど気持ちいいことはしたいとか死ぬほどふざけてると思いませんか?恋人みたいなことをしておきながら恋人になる気はない男とセックスしてる私がいうのもあれなんだけど、私は自分がしてることを正しいと思ってないからこういうクソみたいな関係性をお洒落な言葉で色付けて正当化しようとする人種に吐き気がする。好かれる努力もしてないくせに誰からも愛されないなんて嘆いて、とりあえずもう抱きしめてくれるなら誰でもいいやってあんな人ですら手放せない私がいちばん気持ち悪いけど、裏でゲスいことしながら聖人面して生きてるやつって結構いるし、人間の欲深さってほんと恐ろしいなってつくづく思う。とりあえず、この人がいなくなってしまったら私はもう二度と誰にも触れることなく死んでしまうような気がするから、だから、捨てるに捨てられない。それでもやっぱり私ばっかり必要としてる感が否めないし、めんどくさい手順を踏まなくても身体を許すような安い女だから必要とされているということを自覚したまま一緒にいるのは精神衛生上良くないから、当面の目標はもう少し私のことを安心させてくれるおともだちを見つけることです。新しい人を捕まえたところで私の心理が変わらなければただ同じことを繰り返すだけになるのかもしれないけど、それでも彼よりはマシなんじゃないかって思うし思いたい。そういう人を複数作れば依存度も分散されて楽になるのかもしれないけど、そんなに器用じゃないからきっと無理だ。だから、せめてだれかひとりでいいから、その人の心を掴めるような魅力が欲しくてたまらない。…あぁもう何が言いたいのか分かんなくなってきた。とりあえず世の中のまともな思考を持った20代半ばの男女にはすでにパートナーがいることは事実で、わたしはその普通を一生手に入れることができないんだろうな。

恋、もしくは貧欲な愛

サボっている間に新年明けてしまいました。
とはいえ私を取り巻く環境も意識も特に何も変わっていないので、まだ2017年になったという実感はないです。置いて行きたかったものもまた持ってきてしまったし。


…なんていう記事を3月にアップしようとしていたのですが、途中でめんどくさくなってしまって放置していました。ちょっと色々あって。彼との別れとか、バイト辞められなかったとか、エトセトラ。

現実逃避がしたい、必要とされたい、とにかく誰かに触れたい。そんな気持ちだけで会っていた彼とやっとさよならすることができました。セックスしたくて会っていたはずなのに最近はもうほとんどデリヘルみたいなことばかりしていたから自分でもよく分かんなくなってたんだけどセフレより格下だったことは事実。

〈呼べばすぐ行く女〉なんて大切にされるはずがない。当然です。全然ギブアンドテイクなんかじゃなかった。まぁそんなことはじめから分かっていて、それでも1人よりはマシだって、互いに同意の上でこんな関係でいるんだって傷付いていないフリをして一緒にいたのだけれど。

だけどそれもいつか限界はくるもので、なんかいきなり全部どうでもいいやって、少しも優しくしたくなくなった。

彼は無意識に人を傷付けてしまうタイプの人間で、自分が傷付くことには敏感なくせに他人の気持ちには鈍感な人だった。だけどそんなところが可愛いかった。愛しく思っていた。なんでも許してあげたかった。都合の悪いことは見ないフリをして過ごした。何も知らないフリをした。興味のないフリをした。
彼と会う時だけ私は私でいられたのに、いつの間にか私じゃなくなっていた。笑えなくなっていた。結局寂しい人間のままだった。

〈関係を解消する〉という選択は正しかったはずだし、後悔はない。自分のことを大切にしてくれない人間を大切にする義理などないし。

だけど、すべてが悪ではなかった。
心から笑える夜もあった。愛しいと思う表情があった。優しい声があった。あの背中が好きだった。

消しゴムなんかじゃ消えない。修正テープで隠したって引っ掻いてしまえば簡単に剥き出しになる。
〈彼を彷彿とさせるようなモノを日常から排除する〉それだけが今の私に出来る唯一の忘却法なのだけれど、いかんせんうまくいかない。

一緒に聴いた曲。コンビニのお茶。お気に入りのチョコレート。どこにでもあるようなものに彼を感じてしまう愚かな私を、私の脳を、破壊してしまいたい。



綺麗な恋物語なんかじゃないのに、どうしてこんなに悲しくなるんだろう。泣いたりなんてしたくないのに。過ごした時間も、記憶も、さっさと忘れてしまいたいのに。忘れたいのに。


身勝手なのはお互い様だけど、私のこんな気持ちにさえ気付けないくせに飄々と愛を歌う彼はなんて愚かなのだろう。きっと自分の残酷さに気づかないままこれからも生きていくんだろうなぁ。



私の知らない世界でせいぜい幸せになってね。
さようなら。

遺書

今すぐ死にたいと言う訳じゃないけれど、たまに頭の中で文面を考える。


しかし誰に宛てて書けばいいのかもわからないし、どういう言葉を遺したらいいのかもわからない。





"私が死んだのは私のせいだから、誰も何も気に止めなくていいよ。"

そんな言葉しか思い浮かばなくて、結局考えるのをやめてしまう。




現状を変えようと努力すらせず、ただなんとなく毎日を消費しているだけの私に"死にたい"と思う資格なんてないのだろうけど、それでもやっぱりこれから永く生きていける気がしないし、こんな薄っぺらい人生なら早く終わらせたって良いような気さえする。




『生きたくても生きられない人がたくさんいるのに』
『こんなことくらいで』
『他にいくらでも方法はある』




そんなことはちゃんと分かってて。

"それでも死にたいと思う気持ちは消えてくれないんだから仕方がないでしょう?"って開き直る私がいて。
"頭の中だけでなら許されるよね"って取り留めのないことばかり考えてしまう。



結局最期まで自分のことばかりで、誰にも何も遺せないまま死んでいくんだろうな。

なんか、少し哀しい。

緩やかな殺意と大袈裟な感情

小学生の頃、母親の再婚がきっかけで義父の実家で暮らすことになった。一階には祖父母と叔父、二階では私たち家族が生活していた。いわゆる二世帯住宅ってやつだ。

しかし二階には風呂がなく、車庫内にある離れの風呂を使っていた。だから増設することが決まったときはすごく嬉しかったんだけど、私が中学に上がってしばらくしてからある問題が起きた。

祖父が風呂を覗くようになったのだ。



しかも、私の時にだけ、だ。

増設後も離れの風呂を使っていた祖父がこの場所にくる必要なんてなかったし、第一隙間から洩れる光とか、水音とか、普通ならドアを開ける前にそういうのに気づくはずだ。しかも普段、和室の襖は開いていて、お風呂に入る時だけ閉めるというルールもあった。だから今考えても当時の祖父の行動は理解不能だし言い訳がきかない。




ある日、和室の襖に『入浴中』と書いた紙を貼ってみた。しかし、というかやはりというべきか、その日も祖父は風呂場のドアを開けてきた。

丁度シャワー中だった私は、驚きのあまり叫ぶこともできなかった。それまでは浴槽に浸かっている時に開けられることが多く、至近距離で対面したのは初めてだったからだ。

『あぁ。入ってるね。』その声にはっとし、勢いよくドアを閉めた。ニヤついた顔が、舐め回すような目つきが、本当に気持ち悪かった。




風呂から出て襖を確認すると、テープで貼りつけたはずの紙が廊下に落ちていた。ぐちゃぐちゃに丸めて床に投げつけても全然すっきりしなくて、怒りと悔しさと不快感でどうにかなりそうだった。

もう我慢の限界だ。母に話そう。
そう思った。






それから数日後、風呂には鍵がついた。義父にどう話したのかはわからないけど、母の配慮だろう。簡易的なものだったけど無いよりは良かった。

それからも鍵の閉め忘れを狙ってドアを開けようとしたり、和室内をうろついているような気配はあったけど、1度大声で怒鳴った時にたまたま近くにいた祖母にバレて叱られたようでそれからはほとんど覗かれることはなかった。




しかし階段を上る時に感じる居間からのねっとりした視線とか、電話を盗み聞きされているような感覚とか、引っ越すまでの5年間、あの家で本当の意味で安らげたことなんてなかった。










出会ったばかりの頃は、普通の人達だと思っていた。血の繋がりはなくとも、普通の祖父母と孫としての関係は築けていたと思う。






しかし、私がここまであの人たちのことを嫌悪するようになったのには理由がある。



そのきっかけはいつだったか、私と姉と妹の3人で留守番をしていた時のことだ。

当時小学校低学年だった妹が突然わがままを言い出し、嘘泣きをした。すると1階から上がってきた祖父は妹の嘘の言い分を信じ、近くにいた姉の頭を軽く叩いた。

当時思春期真っ盛りの姉はそれを払いのけその場から立ち去ろうとしたのだが、祖父はそれに激怒し姉の首を掴み壁に叩きつけた。


それは一瞬の出来事で、私は恐怖で固まることしかできなかった。いつも祖母の尻に敷かれヘラヘラしているだけの祖父がまるで殺人鬼のようだったからだ。

必死に抵抗する姉。泣き叫ぶ妹。その場から動けない私。本当に怖かった。殺されるんじゃないかと思った。


何事かと上がってきた祖母が止めに入ったことで事なきを得たけど、あのまま誰も来なかったらどうなっていたんだろう。今でもたまにそんなことを考える。







だから、あの日のことなんか忘れたかのように普通に生きている彼等をみると私はどうしようもなく苛立つ。


母も母で普段は愚痴ばかりなのに『家族だから仕方ない』という思いが根底にあるようで、冗談まじりの怨言には頷いても、冷たい言葉には『いい加減許してあげたら?』って顔をする。

姉については心の内なんてわからないし、許してなんていないのかもしれないけど、彼女はちゃんと前に進んでいて、過去に囚われることなく今を生きている。

忘れようとしないのは私だけだ。
被害者でもなんでもない、傍観者の私。

何もできなかった私。










……本当に惨めだ。











もう10年も前の話。忘れた方がいい。
そんなことはわかってる。



…だけど、やっぱり許せなくて。





怒り任せにあんなことをした祖父も、
一部始終を見ておきながら隠蔽した祖母も、
仕事ばかりで何もしてくれなかった義父も、
怖くて何もできなかった私も。





全部、全部、許したくない。







無論、もういい大人だし表面上は穏やかな関係でいられるよう配慮している。

嘘臭い笑顔と必要最低限の接触。
正直、偽りの共存にすぎない。


薄情かもしれないけど、
私はあの人達が死んでも何も思わないだろう。


早く解放されたい。それだけだ。